華道は人間関係に通じる。華道教室に通うことにしました。
先日、講演会の講師依頼のために、
ある流派の華道教室の家元とお話をさせていただきました。
こちらからの依頼なのに、
たくさんの時間をとっていただき、
ご自分の華道への考えを丁寧にお聞かせいただきました。
その時に家元がおっしゃったこと。
「真・副・体とそれぞれの従枝。それが華道の全てです。それだけなのです。」
副は真を、体は副を、そして、従枝は、その主枝を、
相手を引き立て、自分をも引き立てる場所に、さす。
自分が目立とうとするのではなく、
自分も相手も活きる場所を見極めて、置く。
「これは、人との関係も同じです。
自分だけが目立つのではなく、
自分だけが我慢するのではなく、
誰もが活きる場所を、見極めるのが大切だと思っています。」
そう家元がおっしゃるのをお聞きして、
心にストンと、その言葉が落ちてきました。
そして、もう一つ。
お互いの枝がもたれかかることが、ない。
そして、花器にももたれかかることも、ない。
「相手や器に寄りかかってはダメなのです。
どんなに寝かせてさしても、自分の力で立つ。
そして、お互いの枝の間を空け、風通しを良くする。
緊張感。
これもまた、人と人との関係にも言えることです。」
お花をさし、お花についての話をお聞きしているのに、
それはまるで、私がこうありたいと思う人間関係そのもの。
あぁ、この家元に華道を教わりたい。
そんな気持ちが強くなり、
華道教室に通うことにしました。
講演会の内容も、急遽変更。
上辺だけの歴史や考え方ではなく、
「心」を伝えていただけるような内容に。
こんな出会いをもらえた仕事に、感謝です。
そして、以前の仕事にしがみつかないでいて、本当に良かった。
そう、思いました。