【読書記録】本日は、お日柄もよく
原田マハさんの「楽園のカンヴァス」を読み、どっぷりひたり、熱を冷ますために読み始めた、「本日は、お日柄もよく」。
熱を冷ますなんて、とんでもない!
この本にもどっぷりとひたり、3回も読んでしまいました。
物語は、結婚式のシーンから始まります。
幼なじみで、家族のような存在で、そして初恋の相手・今川厚志の結婚式に出席中の、二ノ宮こと葉。
来賓のスピーチのつまらなさに居眠りをしてしまい、あろうことか、目の間のスープ皿に顔を突っ込んでしまいます。
もう、これだけで笑える(笑)。
でも、その結婚式で、彼女は人生の師となる伝説のスピーチライター・久遠久美と出会うのです。
彼女の、短いけれども心を震わせるスピーチの虜になってしまった、こと葉。
私も、久美のスピーチを読んで、涙がでました。
そして、こと葉は久美に弟子入りし、スピーチライターを目指すことに。
そんなこと葉に、野党のスピーチライターという大きなチャンスが訪れます。
著名な俳人の、こと葉の祖母。
野党の当主・小山田。
こと葉の親友、恵里。
ライバルになる天才コピーライター・和田日間足。
そして、すでに亡くなっている、厚志の父・今川篤朗。
それぞれの登場人物の言葉もまた、とても素敵。
「言葉の力」「スピーチの力」、そしてなにより、「家族の力」。
『話し上手は、聞き上手』
途中で出てきたこの言葉、私は深く共感しました。
そして、この言葉が出てきたシーン。
施設でリスニングボランティアをしている北原さんが、ボランティアを始めたキッカケ。
お母さんの遺書、
生まれ変わってもまたあなたのお母さんになりたい
今度はいっぱいお話をしましょうね
の言葉に、涙がしばらく止まりませんでした。
人前で話すことが苦手だな、嫌だなと思っている人たちに、ぜひ読んで欲しい1冊です。
図書館で借りたのですが、この本、我が子たちにも読んで欲しいので、すぐにAmazonで紙本を買ってしまいました(^_^;)
そして、この本のあとがきで、原田マハさんが原田宗典さんの妹さんだと知りました。
原田宗典さんのエッセイ、大好きなのです、私。
この夏は、原田マハさんの本にどっぷりと浸りたいと思います。