葬儀会社でのアルバイトで大事なことを学びました
大学在学中の4年間、夏休みは葬儀会社でアルバイトをしていました。
朝8:00〜17:00、
葬儀やお斎(とき)があるときは、20:00すぎまで。
おときとは?
(お齋=法事や法要のあとの食事会のことを言います)
仏教の場合、法事・法要の際に、僧侶による読経のあと食事がふるまわれます。
この食事をおとき(御斎・お斎とも書く)と呼びます。
僧侶や参列者へのお礼の気持ちをこめたお膳であると同時に、一同で故人を偲ぶための行事です。
時間が長い分、収入が多く、学費や生活費を奨学金&アルバイトで賄っていた私や同級生たちにとって、とても良いアルバイト先でした。
食事も出るし、お昼寝の時間ももらえたし。
社員がみな年配者だったので、
若いアルバイトへの待遇がとてもとても良かったです。
とはいっても、女子のアルバイトは私一人。
やはり、葬儀会社というと印象が悪いのかな。
4年間、女子のアルバイトは私一人でした(^_^;)
あとは、男子が15人ほど。
祭壇や、ご自宅での盆祭壇の設置、引き上げ作業などなど、
力仕事が多いので重宝されていました。
このアルバイト、
わたしにとっては、宗教や儀式儀礼、何より人間関係について学べたことが大きかったです。
礼儀作法、
葬儀の時の立ち居振る舞いについて。
仏教について。
葬儀やお盆の意義や宗教ごとの違いについて。
その後の私の人生でとてもとても役に立つことを、この時期に吸収。
そして、人間について、多くを目にしました。
お斎の席で。
だれが家を継ぐのかオオモメにモメるお子様たち(とはいっても、みな60代以上)。
お金をどう分けるのかで喧嘩する兄弟姉妹。
「死んでくれて良かった」と、万歳三唱する親族たち。
故人が遺したものが多ければ多いほど、モメるというのを目の当たりにしました。
寄った勢いで抱きついてくるおじさんたち。
料理を食べ散らかしたまま引き上げる親族。
(お斎は一晩中の会席になることも多いので、途中でおまかせにし、朝、片付けることがほとんどでした。)
偉そうに命令してくる人。
怒鳴り散らす人。
喧嘩はしょっちゅう。
おまわりさんに来てもらうことも、たびたび。
人は、生きている時にどれだけ感謝を伝えてきたかで、
亡くなった後の扱われ方が変わってくるということを、
身にしみて学びました。
私の祖母はお寺の出だったので、よく色々と話を聞いてもらいました。
祖母と深い会話ができたことが、一番良かったかなあ。
大変でしたが、内容の濃い、学びの多いアルバイトだったと、今でも感謝しています。
大学4年の夏休みには、
ありがたいことに正社員になってくれないかと打診されましたが、
私には無理かなと、丁重にお断りしました。
短期のアルバイトだからこそがんばれました。
人は、必ず死ぬ。
お金や偉業を残そうとするよりも、
優しい笑顔と感謝の気持ちを遺すのが一番。
今までの生き方が、すべて葬儀に出てくる。
そう思います。
そして。
葬式って、本当に必要?とも、思いました。
盛大なお葬式をした親族ほど、喧嘩も多かったので。
yunbox.hatenablog.com
「結婚式は、親の見栄。お葬式は、子の見栄」
と言いますよね。
見栄って、やっかいだなあ。