足るを知る

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【読書記録】つむじ風食堂の夜

知人がfacebookで紹介していて、気になったので読んでみました。

懐かしい町「月舟町」の十字路の角にある、ちょっと風変わりなつむじ風食堂。無口な店主、月舟アパートメントに住んでいる「雨降り先生」、古本屋の「デニーロの親方」、イルクーツクに行きたい果物屋主人、不思議な帽子屋・桜田さん、背の高い舞台女優・奈々津さん。食堂に集う人々が織りなす、懐かしくも清々しい物語。クラフト・エヴィング商會の物語作家による長編小説。

つむじ風がつねに吹いている十字路の角にある、つむじ風食堂
夜6時〜深夜2時までの営業です。

主人公の「雨降り先生」の視点から、その食堂に集まる人たちや月舟町の様子、
そして、雨降り先生が幼少期に通った劇場の様子が描かれています。
その、行間が空いている優しい感じが、なんとも良いです。

雨降り先生の父親は、手だけで表現するマジシャンでした。
その父親の舞台を見るために、週末ごとに劇場に通った思い出。
今は美術館に改装されてしまったその場所に行ってみると、
ひっそりと思い出の一部が地下に喫茶店として残っていることに気づきます。

その喫茶店に入るまでの緊張と期待。
中での思わぬ人との再会。
そして、自分の父親の思い出との再会。
あぁ、こんな場所がある雨降り先生は、豊かな人だなと思いました。

読んでいる間、ゆったりとした時間が流れる本です。
夜のひとりの時間に、コーヒー片手に読むのにオススメです。

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