【読書記録】だから日本はズレている
題名に惹かれて読み始めました。
これは、若者から見た日本の不思議の本。
「おじさん」たちには、耳が(目が?)痛い本ですね〜。
でも、痛快。面白かったです。
14の章から成り立っている本です。
- はじめに:不思議の国の「大人たち」
- 「リーダー」なんていらない
- 「クール・ジャパン」を誰も知らない
- 「ポエム」じゃ国は変えられない
- 「テクノロジー」だけで未来は来ない
- 「ソーシャル」に期待しすぎるな
- 「就活カースト」からは逃れられない
- 「新社会人」の悪口を言うな
- 「ノマド」とはただの脱サラである
- やっぱり「学歴」は大切だ
- 「若者」に社会は変えられない
- 闘わなくても「革命」は起こせる
- このままでは「2040年の日本」はこうなる
- おわりに:「おじさん」の罪
著者は1985(昭和60)年生まれ。現在30歳。
この本を出版したとい当時は20代。
その若者の視点から、”日本に棲息する多数の偉い人や、立派なサービス、巨大なプロジェクトに出会い、感じ思ったことを記した観察録”です。
とても鋭い視点と文章で、日本のズレを指摘している、著者の古市さん。
たとえば、
- リーダー不在でも回っている日本の経済活動=リーダーは必要ない
- 東京オリンピック招致活動の、「気持ち悪いプレゼン」と「暑苦しさ」
- 全然スマートじゃない「スマート家電」
- 「入社式」とは、宗教のイニシエーション・セレモニー
- 口だけ出して金を出さない「おじさん」は最悪。社会を変えられるのは、リソースを多く持つ「おじさん」なのだから。
- 「今、ここ」にいる自分たちを充実させることから、「やさしい革命」は始まる。
などなど。
共感したのは、「オリンピック招致」と「スマート家電」について、でした。
なぜ、国民からあまり支持率を得られていない東京オリンピックを無理やり招致するのか。
都庁の「おじさん」が、招致に賛成していない人たちのことを
「いま日本人が何に胸がときめくかと言えば、ちまちました我欲の充実。痩せた民族になってしまった」
と愚痴っていたそうですが、未開催国を経済力で蹴散らし、「気持ち悪い」プレゼンで無理やり盛り上げた行動のどこが「クール」だと言うのか。
また、だれも欲しがっていない機能を充実させて、修理するよりも買い直しをドンドン求める家電業界の、どこが「クール」なのか。
40代の私でも共感を覚える「ズレ」が数多くあります。
2040年の日本を予想した章は、とてもリアル。
確かに、こんな日本になっている可能性もあると感じさせます。
あとがきに
「おじさん」は、「今ここにないもの」に過剰に期待してしまい、「今ここにあるもの」に潜んでいるはずの様々な可能性を見過ごしてしまっているのだ。
もし本当にこの社会を変えたいならば、「おじさん」たち自身が変わらなければならない。しかし疑うことを忘れた「おじさん」に、そんなことはできない。そうして発生する「おじさん」の世界を巡る負のスパイラルを、本書では描いてきた。
とあります。
人は、今いる場所を疑わなくなった瞬間に誰もが「おじさん」になる。
私は、この著者が30代、40代、、、と年を重ねて行くごとの本が読みたいです。
↓次は、この本を読みます。