足るを知る

スッキリ・凛とした生活を送りたい。日々のアレコレ。

【読書記録】狐笛のかなた

ハードカバー版を書い、あまりに素晴らしい本なので子どもたちに薦め、子どもたちが学校の朝読書で読むために持ち歩きたいというので今回、文庫版も購入。

それほど、素晴らしい本です。何度も読み返したくなる本です。

人の心の声が聞こえる<聞き耳>の力を持つ、小夜。
この世と神の世の<あわい>に棲む霊狐、野火。
呪いを避けるために森景屋敷に閉じ込められている少年、小春丸。

この三人が出会うところから物語がはじまります。

上橋菜穂子さんの和製ファンタジーは本当に大好きなのですが、
この本は特に、「和」の雰囲気が色濃く、設定から引きこまれます。
同じく「神」や「呪い」に興味がある息子は、ぐいぐいと一気に読んでいました。

小夜に命を救われ、小春丸に怪我を手当してもらった野火。
じつは隣国・湯来ノ国の呪術者の使い魔で、小夜たちが暮らす春名ノ国の領主の命を狙っています。

ところが、小夜も小春丸も、この領主・春望と関係する出自だったのです。
それを知り、主である呪術者の命令と、小夜への情に苦悩する野火。
そして野火は、ある決意をするのですが、、、、。

小夜への思いを止められず、主の命令に背いてまで小夜を守ろうとする野火が悲しいです。
野火と同じ霊狐で、やはり使役されている霊弧の玉緒が、私はとても好き。
野火の姉のような存在で、野火の裏切りや小夜への思いを知り、手助けをしてくれます。

春名ノ国と湯来ノ国の争いはどうなるのか。
野火は呪術者から自由になれるのか。
小夜と野火は。

この「狐笛のかなた」は野間児童文学賞の受賞作品なのですが、
児童文学としてだけでなく、大人が読む本としても素晴らしいです。
精霊の守り人」シリーズや「獣の奏者」シリーズのような壮大なスケールではありませんが、
しんみりと、でもぐいぐいと読める本です。
上橋菜穂子さんのすごさをしみじみと感じます。
子どもに読ませるだけでは、惜しい。
ぜひ、大人にも読んで欲しいです。

最後。
とても美しい風景が脳裏に浮かびます。
そんな本です。

「鹿の王」も、ハードカバー版を購入していますが、文庫版も欲しい。
早く出てくれないかな、、、。

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