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【読書記録】クロックワークスリー マコーリー公園の秘密と三つの宝物

クロックワークスリー マコーリー公園の秘密と三つの宝物

クロックワークスリー マコーリー公園の秘密と三つの宝物

小6の女の子が「この本、超おすすめ!読んで!!」と、
持ってきてくれ、借りることになりました(笑)。

舞台は19世紀末のアメリカ。
両親が亡くなり、叔父に売られて大道芸人の元締めのもとでバイオリンを弾く、ジェゼッペ
父が亡くなったあと、母親に孤児院に預けられて育った、時計職人見習いのフレデリック
名人石工だった父親が脳卒中で倒れ、家族全員の生活を支えるために働く、ハンナ
3人の子どもが主人公の物語です。

ジェゼッペはある日、沈没した船から流れ着いた緑のバイオリンを拾います。
この素晴らしいバイオリンで音楽をかなで、得たお金で弟妹がいるイタリアに帰ろうとするのですが、、、。
元締めやその子分の年長大道芸人に傷めつけられながらも、
イタリアに帰るという希望を捨てず、お金を貯めようとするジェぜッペ。
大人に虐げられるその様子に、胸が痛くなります。

フレデリックは劣悪な環境の孤児院から、
機械いじりの知識を買われて時計職人の親方のブランチさんに引き取ってもらいます。
でも彼も、孤児院での経験のために大人を信用しきれない。
ブランチさんに隠れてオートマタ(自動人形)を作り、
それをもとに独立できるよう、時計職人ギルドの試験を受けようとしていますが、
そのことを打ち明けられずに秘密を抱えます。
ブランチさんはそんなフレデリックの様子を温かく見守ります。
フレデリックがブランチさんに引き取られる場面、私はとてもほっとしました。

ハンナは、通っていた学校もやめ、あるホテルでメイドとして働いています。
ある日、どこかにある隠されたスイートルームに宝があると耳にした彼女。
宝さえあれば今の暮らしから抜け出せると、 ホテルの支配人やメイド頭よりも先に宝を見つけようとします。
スイートルームに連泊しているポメロイ夫人に賢さを認められ、
とても良い条件で付き添いとして雇われるのですが、
父親の病気の悪化と高額な治療費のため、夫人のネックレスを盗んでしまいます、、、、。
家族のためになぜ私だけが!というハンナの叫びが切ないです。

どの子たちも、今を生きるために必死です。
そして、周りにはひどい大人もいますが、見守り、力になろうとする大人もいます。
その大人をも守ろうとする子どもたち。

さて、ジェゼッペはイタリアに帰れるのでしょうか?
フレデリックは無事にオートマタを完成させ、独立できるのでしょうか?
ホテルをクビになったハンナと、その家族の運命は?

2時間かけて、一気に読んでしまいました。
最後の場面、とてもとてもあたたかいです。救われます。
そして、続きがありそうなエンディング。
緑のバイオリンとは?
ポメロイ夫人とは何者?

ただ、続編はまだないみたいなのです。
この余韻もまた、いいのですが。

3人の子どもたちに、幸あれ!!

なお、日本語訳は「黒魔女さんが通る!!」シリーズの著者、石崎洋司さん。
子どものための本を多数書かれているからでしょうか、
訳がとても読みやすく、やさしい文章です。

↓これも読みたくなって予約中。

少年弁護士セオの事件簿 (1) なぞの目撃者

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