足るを知る

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【読書記録】超訳・弘法大師のことば 空海は、すごい

図書館の返却だなに置いてあり、惹かれて借りてみました。

私、苫米地英人さんの本、好きなのです。
いまの生活パターンや「もたない生活」に興味を持ったのも、
もとはと言えば、この人の「テレビは見てはいけない」を読んだからなのです。

テレビは見てはいけない (PHP新書)

テレビは見てはいけない (PHP新書)

CMや世の中に溢れているモノに、「本当に必要?」という疑問をもつきっかけに。
そして、この空海は、すごい」をペラペラとめくると、まえがきに、

私はコーチングや脳科学を専門としていますが、その一方で仏教の伝統派で得度し、インドの密教寺院の僧院長(Abbot)もしています。

と書いてあったのです。
「なんだ、この人は!?」ですよね、凡人にとっては(笑)

でも、脳科学者が「仏教(密教)」をどのように表現するのか、
そして何を思って得度したのかが気になり、借りてみることにしました。

この本は、二部編成となっています。第一部には三つの章があります。


  1. 第一部 空海の思想
    1. 第一章 空海と日本
    2. 第二章 空海はすごい
    3. 第三章 空海と私
  2. 第二部 空海の言葉

第一部第一章では、空海以前の密教について、その成り立ちや位置づけ、概念が記されています。
私にとって、密教とは、孔雀王の世界(笑)

孔雀王 第1巻

孔雀王 第1巻

なんとなく怪しげで、いろんな秘法があり、悪霊退散。
そしてちょっと惹かれる。
きっと、高野山にはいろんな秘密が隠されているんだろうなと想像しつつ、
そこまで勉強したいとも思わず。
でも、ちょっと知りたい。

こんな程度です。←いろいろ間違ってる

密教を代表する概念の「身口意」という言葉さえ、この本で初めて知りました。
「日本の仏教が世界で相手にされない理由」は、面白かったです。
そっかー、相手にされていないのかー。
そりゃそうですよね、妻帯している時点で、出家ではないですよね。

第二章では、キリスト教と仏教を比較しつつ、
空海密教キリスト教に匹敵する史上最強の宗教だ」としています。
そう断じる理由が順を追って記してあり、空海の凄さ、非凡さを感じます。
感じるだけ。理解はできません。 凡人なワタクシには、「そうなのか〜」と思う程度。

第三章では、なぜ得度したのか、そして、「悟り」について記されています。
筆者はここで、

じつは仏教の悟りを理解することは難しいことではありません。
(省略)
今は小学生でも空(くう)は理解できると思いますし、遅くとも高校生ならば完全に理解できるところまで着ていると思います。ということは、現代人にとって悟りは目標にするものではなくなっているのです。
「悟りから始めよ」
これが私たちにとっての仏教のスタート地点です。

と記しています。
そして、空観・仮観を行ったり来たりしながら一番良い状態である中庸(中観)に落ち着く大事さを説いています。「いい按配を見つけてください」と。

読んでいるとなるほどと思いますが、実際にこれを日々実践するのは、厳しい。
やはり出家僧は、すごい。

第二部には、空海の言葉50を、原文と現代語の超訳で記してあります。
超訳がないと、私にはさっぱり理解できません。
そして、原文についてその思想まで完全に理解できていないと、超訳はできないと思うのです。
苫米地さんの知識の豊富さを垣間見ることができます。

改めて思ったのですが、
昔の日本には、この空海の思想を理解し、
また理解しようと必死に勉強していた僧が相当数いたのです。
そして、原文のままの空海の言葉を理解できる人が、今よりもいたのではないでしょうか。
今の日本人には理解できない、また失われてしまったものが数多くあるのでは?

そしてその法や教えはきっと、高野山などで守られているのだと思います。
やっぱり私は、密教には「神秘性」を求めてしまうようです。
神秘性を求める人の多さが、そのまま、空海人気にもつながっていると思います。

↓これも図書館で予約しました。楽しみです。

空海と密教 (黄金文庫)

空海と密教 (黄金文庫)